はじめに

私は分散システムを少しかじっただけのただの高校生です。 専門家ではないので適当なことを言っている可能性があります。

イキヅライブとは?

イキヅライブ! LOVELIVE! BLUEBIRDは、ラブライブ!シリーズの最新作で、通信制高校であるLove学院高等学校を舞台として、「いきづらい部」としてスクールアイドル活動をする女子高生たちを描いています。

Twitterでの活動

2025年度のイキヅライブの主な活動拠点はTwitterでした。Twitter上の投稿でストーリーを展開するということをしています。

いきづらい部のメンバー10人にそれぞれアカウントがあり、それぞれがそのキャラクターとしての発言を月~金で投稿します。

例えばこれは麻布麻衣というキャラクターのアカウントです。 https://x.com/My_Mai_Eld

分散システム的な

イキヅライブでは、10人の発信はそれぞれ相互接続されていません。 「○○ちゃんが○○していた」のような間接的な単方向でのリンクは存在しますが、いいね・リプライ・RTなどの現代SNS的な相互作用は存在しません。

しかし、この性質こそがイキヅライブ最大の面白さです。 つまり、分散システム的に考えるなら、多くの物語は強整合性的であるのに対して、イキヅライブはCRDTのような結果整合性的であるということです。

アニメ・小説には単一の正しいレプリカが存在します。キャラクターの発言・出来事の流れなどが全く同じ順序で記録されています。誰が読んでも、同じ順序で出来事を受け取り、同じ順序で解釈します。これは単一リーダーレプリケーション的です。

一方イキヅライブでは、キャラクター同士の相互作用は間接的な単方向リンクでしか表されないため、L高生(ファン)はいきづらい部メンバーのツイートをさかのぼり、自分で物語を組み立てる必要があります。

たとえば、

https://x.com/My_Mai_Eld/status/2000478684847780333

このツイートでは、麻布麻衣は高橋ポルカにポテトを食べさせてもらっているということがわかりますが、ポルまいですが、このツイート単体ではなぜこのようなシチュエーションになっているか不明です。

https://x.com/polka_lion/status/2000469876797067577

そこで30分ほど前のこのツイートを見ると、居残りしてイベントのステージプランを練るいきづらい部メンバーのために駒形花火がポテトを差し入れしたことがわかります。つまり、この出来事はイベントステージプランの会議中に起きたというわけです。

このようにして組み立てられた物語は、観測者にとって多少の差異はあるものの、大まかな順序としては共通の間主観的なものになるでしょう。これはまさにCRDT的な結果整合性です。 しかし、このCRDTは計算によってデジタル上で成り立っているわけではなく、完全にL高生たちの頭の中で自動的にマージなどが行われています。

認知CRDTのスケール感

ここでひとつ問題があり、この認知CRDTは認知的な負荷が高すぎるということです。正直L高生の中でもツイートの文脈をすべて理解し、1つの一貫したストーリーとして組み立てられている人は少数で、他の大半は断片的な情報だけを受け取っています。 その結果なのかはわかりませんが、イキヅライブのTwitter更新は2026年2月末に終了しています。

まとめ

大半のアニメ・小説などの物語は単一リーダーレプリケーションの強整合性型。それに対してイキヅライブはより分散的な結果整合性型の物語を提供した。 しかし、これらの結果整合性のためにはマージを人間の脳内で行う必要があり、これは認知負荷が高い。